昨晩ふと「ノイズって嫌われてるよなぁ」という考えから思考の海に潜ってしまいました。
今回は「録音時のノイズ」について僕なりの考えを書いていきたいと思います。今回の内容は簡単にいうとこんな感じです
- ノイズは必要
- ノイズは抑える方向で努力しよう
というなんとも当たり前な結論になってます。
興味のある方はどうぞお読みください。
ノイズは悪か?
いきなり論争を起こしかねない問い。
僕はこの世に「100%悪」と呼べるものはないと思ってます。
その定義は状況、場所によって簡単に変わってしまうものだと思うので。
善もまた然り。
脱線しました…話を戻します。
「ノイズは悪」と思ってしまいがちですが違うと思っています。
めちゃくちゃ環境がよくて、あまりにノイズがない音源は逆に気持ち悪く聞こえるなぁと僕は感じるのです。
百聞は一聴にしかず
ノイズが全くない音声を聞いてもらいましょう。
ノイズゼロの音声は録音が難しいので、音読さんの”ナレーション(A)”に喋ってもらいました。
ヘッドホン、イヤホン推奨です。

見事なまでにノイズレス。
反響もほぼない。
最近こういう音声も増えてきていることもあって違和感を感じる方は少ないとは思いますが「自然ではない」ということは感じてもらえるはず。
こういうふうにあまりに綺麗すぎる音源には”わざとノイズを加えるたりして汚す”ことがあります。
(もちろん”違和感で引き込む”を狙ってこのまま使うのもあり。)
今回はこのノイズを足します。

このノイズ素材を選んだ理由は「ファイルの一番上にあったから」程度で意味はないです。
こういうノイズ素材は持ってると結構役に立つので探しておくといざというとき役立ちます。
こんな感じでノイズで少し汚した方が耳馴染みが良かったりもします。
(DCオフセットで波形が中心からずれちゃってますがご勘弁を)

聞き比べてみましょう。
(オリジナル)→(オリジナル + ノイズ)を2回再生します。
本当に微妙な差ですがノイズがある方が耳馴染みがいいというか聞き馴染みのある、安心感を感じると思います。
少なくとも僕は感じてます。
(「感じないと」いうのもまた一つの意見で間違いではないので大事にしてください。感性に間違いはないです。好き嫌いのようなものです)
「ノイズは悪」ではなく「過度なノイズが悪」ですので。
いうまでもないですがこういうのは論外だよ?
そもそもなぜ「ノイズが悪」と思ってしまうのか
完全に主観です。
粗悪な環境でナレーション録っていた方が陥りがちな状態かなと。
いわゆる駆け出しのナレーターさんとか。
あまりよろしくない環境が続いたもんで「ノイズ」というものを「悪」として毛嫌いしてしまう。
そうすると次は馴染まなかったり、ノイズリダクションをかけすぎて音が変になるという問題に突き当たったりする。
その解決策が「ノイズを入れる」「ノイズを受け入れる」だなんて皮肉な話です。
「ノイズがない」は不安になるし本当に怖い
これは僕が実際に体験したお話。
友人のプロデューサーさん宅にお邪魔して、防音、反響がしっかりされた部屋でお話をしてました。
部屋の反響も、外の音も何も聞こえないある種完璧な無音空間。
そこで話していると気持ち悪くなってきて、恐怖すら覚えた。
「ノイズ」という無駄な音がいかに大事かを思い知った瞬間でした。
友人たちは「慣れればなんともないよ」って笑ってましたけど、僕は慣れたくないなと思いました 笑
ちなみにその影響なのかは知りませんが初めて霊のようなものを見ました…くわばらくわばら…
「ノイズがない」はかなりのアドバンテージ
「てめぇどっちだよ」って言われても仕方ない。
「フラれてすぐ別の子に優しくされてちょっとときめいちゃう」くらい心変わりの早い奴だと思われても仕方ない。
ですがノイズが極端に少ない状態は「後から好きなノイズを入れて好きな空間を演出できる」という状態なので滅茶苦茶なアドバンテージだと思います。
試しにさっきの音声にノイズを足してレコード風にしてみましょう
元の音源を今一度チェック
そこにレコードノイズをあわせて
音声が綺麗すぎるので音質補正をしてローファイな音質に
色々雑ですけどこうやってノイズも演出として使えば色々できます。(こういう使えるノイズは環境音って言った方がいいかもしれませんけど。)
こういう表現はノイズゼロか問題ないレベルでないとできません。
冒頭の論外音源では絶対に無理です。
色々作ってみました
・スクランブル交差点の巨大モニター風
・夏休みに外で喋ってる風
要は何を言いたいかっていうと「ノイズも必要」ってことですね
そもそもノイズゼロで録音なんてできないから気にするな
今までの内容が台無しになるようなこといってますが事実です。
いくらノイズ対策をしようが100%ノイズというやつは入ります。100%です。
なので「ノイズを入れよう」ではなく「なるべくノイズを入れないようにしよう」とする方が正しい努力の方向だと思います。
どうしても入るからなるべく入らないようにした方がいい結果になるのはなんとなくイメージできるはずです。
今回使った機械音声のようなものにはノイズを足してますが、生の声にそれをすることはほぼないかと。
ただ、後半のように場所、環境を再現するためにノイズを入れたりはします。
ここでしか出さないコンテンツもあります。
ご興味ある方は覗いてみてね